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なぜミャンマー人技能実習生が増えてる?国民性や技能実習生について解説

2024.05.22   2024.05.30

日本国内に在留外国人が増えている現在、ミャンマー人技能実習生の数も増えています。本記事では、技能実習制度の概要や、ミャンマー人技能実習生の受け入れに際して押さえておきたい国民性や受け入れ方法、注意点などについて解説します。ミャンマー人技能実習生への理解が深まる記事ですので、技能実習生の受け入れを検討している企業の方はぜひ参考にしてください。

技能実習生とは?

技能実習生 セミナー風景

 

技能実習生とは、開発途上地域から来日し、日本の技術や知識を習得して持ち帰るために、日本企業で労働者として活動する人のことです。技能実習生制度は、約30年前の1993年に設立され、現在まで続いています。

 

技能実習生の目的は、日本の技術や知識を開発途上地域へ移転し、経済発展を担う人材育成に寄与することです。海外人材を日本の労働力として雇用するための制度ではありません。

 

また、技能実習生は企業と雇用契約を交わし、技能習得を目指します。そのため、労働基準法が適用され、受け入れる企業には最低賃金や残業代・、割増賃金などの支払い義務もあります。実習生であっても、雇用保険や健康保険などの社会保険の加入義務がある点にも注意しましょう。

 

ミャンマー人の技能実習生が増えている理由

ミャンマー国旗 象徴

 

法務省出入国在留管理庁の調べによると、2023年末時点での在留外国人数は約341万人で、前年度より10%増の過去最高を更新しています。国籍別の日本国内ので在留外国人数を見ると、ミャンマー国籍を持つ人の割合は、2022年末は11位でした。その1年後の2023年末には8位となり、1年で3万人強ものミャンマー人が日本に住み始めたことになります。

 

また、日本貿易振興機関JETROの調べによると、日本に在留するミャンマー人は、2014年から2018年にかけて約2.5倍に増え、中でも技能実習を目的として来日する人数が大幅に増えています。なぜ、日本で働くミャンマー人の技能実習生が急増しているのでしょうか?その理由を深掘りし、解説します。

 

(出典元:出入国在留管理庁「令和5年末現在における在留外国人数について」
(出典元:日本貿易振興機関「技能実習制度が整い、優秀なミャンマー人材の活用ニーズ高まる」

 

人口に占める若者の割合が多い

アメリカ政府のThe World Factbookのデータによると、ミャンマー人の平均年齢は30歳です。比較対象として日本人の平均年齢を49歳です。また、生産年齢人口にあたる15〜64歳の人口割合が、国民人口の約7割をしています。つまり、ミャンマー人は技能実習の担い手が多いということです。

 

(出典元:The World Factbook「people-and-society」

 

「日本で働く」ことへの憧れが強い

ミャンマーでは、2021年に起きたクーデターの影響もあり、不安定な情勢です。さらに働き口が少なく、国内賃金も安いため国外で働く若者が増えています。親日国であるミャンマーでは、数ある国の中でも日本で働くことを目指す人材が多くいます。

 

また、ミャンマーの公用語であるミャンマー語(ビルマ語)と日本語は文法が似ています。ミャンマー人にとって、語学が習得しやすい点も多くのミャンマー人が日本を目指す理由の一つです。

 

技能実習制度と特定技能制度の違い

特定技能職 外国人研究生

 

技能実習制度と似た制度で「特定技能制度」という制度もあります。2つの制度の違いを5つの観点から確認していきましょう。

 

目的

技能実習制度と特定技能制度の大きな違いの一つは、その「目的」です。技能実習制度は、日本の技術を開発途上地域に持ち帰って自国の発展をサポートするという国際貢献の意味合いが強い一方、特定技能制度の目的は日本の労働力不足解消です。
 

職種

2つの制度は、受け入れ先となる職種が異なります。特定技能制度が12職種なのに対し、技能実習制度は90職種にのぼります。
 

期間

技能実習は、1〜3号までの3種類の在留資格があり、試験などを通してレベルアップする仕組みです。入国してから1年目の実習生に与えられる在留資格「技能実習1号」では技能の習得を、「技能実習2号」「技能実習3号」ではそれぞれ技能の習熟・熟達を目指していきます。技能実習1号で1年、技能実習2号と3号で、それぞれ2年の最大5年間滞在可能です。

 

一方、特定技能は1号と2号の2つがあり、1号の滞在期間が5年。2号は期間の上限がありません。

 

受け入れ方法

技能実習制度では、基本的に海外の送り出し機関と提携する監理団体からの紹介を得ることで、実習生の受け入れが可能です。一方、特定技能制度は、受け入れに関する制限がなく、外国人と受け入れ企業の間でのやりとりで契約を終結できます。もちろん、登録支援機構のサポートを受けることも可能です。

 

受け入れに関する制限

技能実習制度は、実習生が技術を習得できるよう「指導可能な人数のみ」と受け入れ人数が制限されています。具体的な受け入れ人数は、企業の規模や職員の数によって異なります。特定技能制度では、人材不足の解消が目的のため、原則受け入れ人数の制限がありません。

 

技能実習制度と特定技能制度では、その他にも受け入れに関する、さまざまな制限があります。たとえば、外国人の家族帯同は、技能実習制度では認められておらず、特定技能制度でも制限があります。特定技能1号の場合は家族帯同不可、特定技能2号では配偶者や子どもであれば帯同可能です。

 

また、技能実習制度は、労働を目的とした制度ではないため、実習生は転職できません。特定技能制度は、就労者として在籍するため、同一職種であれば転職可能です。

 

技能実習制度の職種一覧

技能実習生制度で受け入れ可能な職種は、90職種165作業と幅広いのが特徴です。2024年4月時点で、国際人材協力機構(JITCO)のページに記載のある職種を一覧表にまとめました。

 

(出典元:国際人材協力機構(JITCO)「技能実習制度の職種・作業について」

1.農業関係(2職種6作業)

職種 作業
耕種農業 施設園芸
畑作・野菜
果樹
畜産農業 養豚
養鶏
酪農

2.漁業関係(2職種10作業)

 

職種 作業
漁船漁業 かつお一本釣り漁業
延縄漁業
いか釣り漁業
まき網漁業
ひき網漁業
刺し網漁業
定置網漁業
かに・えびかご漁業
棒受網漁業
養殖業 ほたてがい・まがき養殖作業

3.建設関係(22職種33作業)

 

職種 作業
さく井 パーカッション式さく井工事
ロータリー式さく井工事
建築板金 ダクト板金
内外装板金
冷凍空気調和機器施工 冷凍空気調和機器施工
建具製作 木製建具手加工
建築大工 大工工事
型枠施工 型枠工事
鉄筋施工 鉄筋組立て
とび とび
石材施工 石材加工
石張り
タイル張り タイル張り
かわらぶき かわらぶき
左官 左官
配管 建築配管
プラント配管
熱絶縁施工 保温保冷工事
内装仕上げ施工 プラスチック系床仕上げ工事
カーペット系床仕上げ工事
鋼製下地工事
ボード仕上げ工事
カーテン工事
サッシ施工 ビル用サッシ施工
防水施工 シーリング防水工事
コンクリート圧送施工 コンクリート圧送工事
ウェルポイント施工 ウェルポイント工事
表装 壁装
建設機械施工 押土・整地
積込み
掘削
締固め
築炉 築炉

4.食品製造関係(11職種18作業)

 

職種 作業
缶詰巻締 缶詰巻締
食鳥処理加工業 食鳥処理加工業
加熱性水産加工食品製造業 節類製造
加熱乾製品製造
調味加工品製造
くん製品製造
非加熱性水産加工食品製造業 塩蔵品製造
乾製品製造
発酵食品製造
調理加工品製造
生食用加工品製造
水産練り製品製造 かまぼこ製品製造
牛豚食肉処理加工業 牛豚部分肉製造
ハム・ソーセージ・ベーコン製造 ハム・ソーセージ・ベーコン製造
パン製造 パン製造
そう菜製造業 そう菜加工
農産物漬物製造業 農産物漬物製造
医療・福祉施設給食製造 医療・福祉施設給食製造

5.繊維・衣服関係(13職種22作業)

 

職種 作業
紡績運転 前紡工程
精紡工程
巻糸工程
合ねん糸工程
織布運転 準備工程
製織工程
仕上工程
染色 糸浸染
織物・ニット浸染
ニット製品製造 靴下製造
丸編みニット製造
たて編ニット生地製造 たて編ニット生地製造
婦人子供服製造 婦人子供既製服縫製
紳士服製造 紳士既製服製造
下着類製造 下着類製造
寝具製作 寝具製作
カーペット製造 織じゅうたん製造
タフテッドカーペット製造
ニードルパンチカーペット製造
帆布製品製造 帆布製品製造
布はく縫製 ワイシャツ製造
座席シート縫製 自動車シート縫製

6.機械・金属関係(16職種31作業)

 

職種 作業
鋳造 鋳鉄鋳物鋳造
非鉄金属鋳物鋳造
鍛造 ハンマ型鍛造
プレス型鍛造
ダイカスト ホットチャンバダイカスト
コールドチャンバダイカスト
機械加工 普通旋盤
フライス盤
数値制御旋盤
マシニングセンタ
金属プレス加工 金属プレス
鉄工 構造物鉄工
工場板金 機械板金
めっき 電気めっき
溶融亜鉛めっき
アルミニウム陽極酸化処理 陽極酸化処理
仕上げ 治工具仕上げ
金型仕上げ
機械組立仕上げ
機械検査 機械検査
機械保全 機械系保全
電子機器組立て 電子機器組立て
電気機器組立て 回転電機組立て
変圧器組立て
配電盤・制御盤組立て
開閉制御器具組立て
回転電機巻線製作
プリント配線板製造 プリント配線板設計
プリント配線板製造
アルミニウム圧延・押出製品製造 引抜加工
仕上げ
金属熱処理業 全体熱処理作業
・表面熱処理(浸炭・浸炭窒化・窒化)

・作業

・部分熱処理(高周波熱処理・炎熱処理)
・作業

7.その他(20職種37作業)

 

職種 作業
家具製作 家具手加工
印刷 オフセット印刷
グラビア印刷
製本 製本
プラスチック成形 圧縮成形
射出成形
インフレーション成形
ブロー成形
強化プラスチック成形 手積み積層成形
塗装 建築塗装
金属塗装
鋼橋塗装
噴霧塗装
溶接 手溶接
半自動溶接
工業包装 工業包装
紙器・段ボール箱製造 印刷箱打抜き
印刷箱製箱
貼箱製造
段ボール箱製造
陶磁器工業製品製造 機械ろくろ成形
圧力鋳込み成形
パッド印刷
自動車整備 自動車整備
ビルクリーニング ビルクリーニング
介護 介護
リネンサプライ リネンサプライ仕上げ
コンクリート製品製造 コンクリート製品製造
宿泊 接客・衛生管理
RPF製造 RPF製造
鉄道施設保守整備 軌道保守整備
ゴム製品製造 成形加工
押出し加工
混練り圧延加工
複合積層加工
鉄道車両整備 走行装置検修・解ぎ装
空気装置検修・解ぎ装
木材加工 機械製材作業

8.社内検定型(2職種4作業)

 

職種 作業
空港グランドハンドリング 航空機地上支援
航空貨物取扱
客室清掃
ボイラーメンテナンス ボイラーメンテナンス

 

ミャンマー人技能実習生受け入れガイド

ミャンマー技能実習生 受け入れ

 

技能実習制度を通してミャンマー人実習生の受け入れを検討している方が押さえておきたい、ミャンマー人の国民性や受け入れフローを確認していきます。

ミャンマー人の国民性

ミャンマー人は、日本人と似た国民性であり、日本の労働環境に馴染みやすいと評価されています。仏教徒が多いため、穏やかで勤勉・素直な性格というのが、ミャンマー人の特徴です。目上の人を敬う文化もあり、日本の労働環境と親和性が高いといえます。

受け入れフロー

ミャンマー人技能実習生の送り出し機関である「ミャンマーブリッジ」での受け入れフローを例に、ミャンマー人実習生の募集から企業配属までの流れを確認していきましょう。

 

1.申し込み〜実習生募集

受け入れの詳細や条件をヒアリングし、お見積もりを作成します。契約となったあとは、実習生の募集を開始します。

 

2.ミャンマー人実習生候補者の選考

書類選考や面接を通過した候補者との現地での面接、実技や学科試験を実施し、最終的な合格者を決めます。

 

3.在留資格取得に向けた申請

技能実習計画を作成し、管轄入国管理局に提出します。また、在留資格「技能実習1号」を取得するため、在留資格認定証明書の交付申請を実施。法務省(入国管理局)が審査後、認定証明書が交付されます。

 

4.ビザの申請
実習生本人が現地の日本大使館や領事館でビザの申請を行います。

 

5.ビザの発給

在留資格認定証明書とビザが揃えば実習生は入国可能です。実習に必要な日本語を始めとした1ヶ月間の講習を行い、その後企業に配属されます。

 

ミャンマー人の技能実習生を迎えるには?

 

ミャンマー人技能実習生の受け入れ方法には、「企業単独型」と「団体監理型」の2種類があります。

 

企業単独型は、海外に拠点のある企業のみ選択可能で、受け入れ企業の98%は団体監理型を選択しているのが現状です。団体監理型で受け入れを行う場合は、送り出し機関を通しての受け入れが必須です。

 

現地の送り出し機関の中には、必要以上に高額な費用を請求する悪質な企業も存在します。実習生が膨大な借金を背負って来日し、実習中にもかかわらず、返済するために高収入を求めて失踪してしまうトラブルもあります。また、送り出し機関での日本語教育の質が悪く、日本での業務や生活に支障がでるケースもあるようです。

 

ミャンマー人技能実習生の受け入れには、トラブル対策や質の高い日本語教育を実施している送り出し機関「ミャンマーブリッジ」がおすすめです。ミャンマー人の技能実習生を検討している企業は、ミャンマーブリッジ利用を検討しましょう。

 

ミャンマー人の技能実習生についてのQ&A

QA

 

最後にミャンマー人の技能実習生に関するよくある質問と回答を見ていきましょう。

 

Q:技能実習生から特定技能人材としての雇用はできる?

技能実習2号を良好に修了していれば、技能実習生から特定技能人材への登録変更が可能です。また、特定技能1号の業務と関連性がある場合は、技能試験と日本語試験が免除されます。実習生が、長期的に在籍できるため、企業と実習生の双方に大きなメリットがあるといえます。

Q:ミャンマー人実習生との間で起こりがちなトラブルとは?

目上の人を敬う国民性で、親日家が多く、日本語教育が進んでいるミャンマー人の技能実習生は、日本での就労と相性が良いといわれています。それでも、文化が異なる外国での就労では、実習生に少なからず負担がかかり、トラブルが発生しやすいです。

 

たとえば、ミャンマーでは仕事の始めや終わりに挨拶をする文化がないため「出勤時や退勤時に挨拶をしても素通りされた」などから、大きなトラブルへと発展しかねません。このような職場のコミュニケーションにまつわるトラブルは、ミャンマー人だけでなく、多くの技能実習生や受け入れ企業から訴えがあるようです。

 

ほかにも、失踪や金銭トラブルなどには注意が必要とされます。実習生への支援体制を整えてトラブルを最小限に抑えるといった意味でも、送り出し機関の利用がおすすめです。

Q:ミャンマー人実習生は実習期間後も働ける?

技能実習終了後も、実習生が日本で働く方法があります。

 

技能実習生は、基本的に5年間在留できます。技能実習2号を修了し、特定技能1号へと変更できれば、さらに5年間就労可能期間が延びます。

 

その後、特定技能2号として就労できれば期間の上限がなくなるため、事実上永住も可能です。

 

まとめ

 

今回は、技能実習制度の特徴や特定技能制度との違い、ミャンマー人技能実習生が増えている理由などについて説明しました。また、ミャンマー人技能実習生の受け入れを検討している方に向け、受け入れの流れや注意点についても解説しています。

 

技能実習生はもちろん、受け入れ企業側にとっても良い実習となるよう、受け入れの際は信頼のおける送り出し機関を利用するのがおすすめです。ミャンマー人材を探している企業は、お気軽に「ミャンマーブリッジ」へお問い合わせください。